小さく豊かな暮らし【タイニーハウス】人生を楽にする価格やDIYをご紹介!

タイニーハウスはアメリカ発祥の、あるライフスタイルに基づいた居住の形です。

コテージや小屋のような見た目の可愛さもさることながら、家にかける費用を抑えて暮らしを豊かにする、コンパクトに暮らす、そんな考え方に賛同する人も多く、近年日本でも注目されつつあります。

価格も300万円ほどからあるので、家にお金をかけたくない!という人にとって非常に魅力的に見えるのではないでしょうか。

最近ではモバイルハウスとも呼ばれ、他拠点での生活スタイルや田舎への移住の提案でも一翼を担っているとか。

そんな「小屋ブーム」の火付け役、タイニーハウスについてご紹介したいと思います。

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タイニーハウスとは

タイニーハウスとは、その名の通りtiny(:とても小さい、ちっちゃな)な家。アメリカで起こったリーマン・ショックによるサブプライムローンやハリケーンなどの自然災害などを背景に「どのような居住の形をとるか」という点を見直す動きによって生まれた家の形態です。

多額の住宅ローンを組んで大きな夢の家を建てるのではなく、小さな家を建て、経済的に自由に暮らしたいという人が増えているということでしょう。

発祥のアメリカではセルフビルドされる方も多いのだとか。その他、建材の使用量の少なさやコンパクトな生活などから、エコ活動に興味のある人からも支持があるそうです。

この「小さな家」は、ミニマリストのような無駄のないシンプルな生活と言うと想像しやすいかもしれません。大きな家で暮らす豊かさとはまた別の、コンパクトで安価なタイニーハウスでゆとりを持って生活するという豊かさを選択する人が増えてきています。

地震や台風などの自然災害が多い日本にも非常にマッチした居住の形であるように感じますね。

タイニーハウスの魅力

タイニーハウスの魅力はコストをかけずに気軽な家で生活できることでしょう。

大きな家を買って住宅ローンのためにせっせと働く、そんな現代の無理をしている家とは違い、等身大での暮らしを実現できることではないでしょうか。

暮らしに必要な家としての機能は最低限でも、住宅ローンに支配されない自由な暮らしを得ることができます。

また、小さい家の暮らしは工夫とコミュニケーションが活発になり、普段では得られない体験を感じることができるはずです。物理的に家族との距離感が近いため、自然とコミュニケーションが生まれます。

また、室内が狭い分、外との繋がりを大事にするようになり、結果的に活動的な日常になることも多いようです。

タイニーハウスのメリット

タイニーハウスの最大のメリットは費用でしょう。前述したとおり、家の購入費用や、小さい家であることから光熱費を抑えることができます。通常は家を建て場合、建築コストが安くても1,500万円以上、2,000万円程かかることがほとんどです。その点でタイニーハウスは約300万円からというリーズナブルな費用が魅力です。

また、タイニーハウスは簡易的な家であることから、DIYなど思い切って手を入れることができる手軽さを感じることができるはずです。

タイニーハウスのデメリット

気軽に建てることができるタイニーハウスのデメリットとして、簡易的に施工を行うことが多いため、ガス、水道、電気などのインフラ関係にめっぽう弱いというデメリットがあります。

また、タイニー(小さな)ハウス(家)と言われるように、一般的な家よりも圧倒的に室内は狭いです。そのため、自由なインテリアレイアウトや充実した収納は難しいことがほとんどです。

また、移動型タイニーハウスだと住民票を得ることが面倒になることがあります。

あと、精神的な話をすれば、この先タイニーハウスでずっと暮らしていけるのだろうかという不安がついてまわるかもしれません。また、近所から小さい家に住んでいるという目で見られているような気になることもあるかもしれません。

タイニーハウスの注意点

タイニーハウスは簡易的な設計になっている点や、その特性から下記の点に注意が必要です。

  • 断熱性
  • トレーラー式の場合は車検の更新

デフォルトプランでは断熱材が使われていない場合があり、その場合は居住用として使うにはかなり厳しいものがあります。夏は暑く、冬は極寒になる可能性があります。

また、トレーラー(移動)式の場合、当然ながら車検が必要になりますが、その車検更新がとても大変です。シャーシ部分で車検を通している場合は、車検の都度、上物(タイニーハウス)部分を外して、車検を受ける必要があるため注意が必要です。

固定型タイニーハウスとトレーラー型タイニーハウス

タイニーハウスには大きくふたつのパターンがあります。

ひとつは家を固定してあるもので「固定型」と言われます。コテージハウスやログハウスのような外観です。

トイレやお風呂もあり、必要最低限を備えた小規模住宅のようなイメージです。

もうひとつは「トレーラー型」。家の下に車輪が付いていて、車で牽引することができます。家型のキャンピングカーのようなイメージですね。

タイニーハウスの人気もあり、コンテナのような箱型のものも最近では見かけるようになりました。こちらのタイプは店舗としての利用も多く、日本の街中でも目にする機会が増えてきました。

タイニーハウスの内装や間取り

海外のタイニーハウスを参考に、内装や間取りを見ていきましょう。

こちらは外部との繋がりをかなり意識して作られた固定型のタイニーハウスです。

実は室内の幅は2.3mしかないのですが、開口を大きく設けることでとても広く感じることができます。

この空間はキッチン、ダイニング、お仕事スペースを兼ねられていて、用途を限定しないことで省スペースを適えられています。

屋根裏やロフトを作ることで、スペースを増やすことができます。

海外の事例では、このスペースを寝室に利用することが多いようです。

こちらのタイニーハウスでは少し変わったベッドスペースを取り入れています。

壁面に上下へ動かすことのできるベッドを取り付け、昼間と夜で用途を変えて使用されているそうです。

奥のグリッド状の壁面は収納スペースです。ちなみにこちらの家では、ロフトスペースはレコードを保管されたりと音楽を楽しめる空間になっていました。

アメリカシアトルのタイニーハウスのシャワールームです。

実はこちらはトレーラー型のタイニーハウスで、このような形であれば固定しなくてもライフラインを確保できるようですね。

ちなみに電力は、ソーラーで賄われているとのことです。

こちらはタイニーハウスの中では大きい、トレーラー型のものに設置されているバスルームです。

一般住宅と大差ないしっかりとしたバスルームになっています。

タイニーハウスではこういったトイレの他にコンポストトイレ(エコトイレ)の形のものもよく見受けられます。

こちらのキッチンはサンフランシスコのタイニーハウスに設置されているものです。

見せる収納を利用してデッドスペースを無くし、充実したキッチンになっています。

壁面に取り付けた棚やナイフの収納ラックも可愛いですね。

固定型もトレーラー型も外への繋がりを意識する大きな開口やデッキを取り付けると、空間が広がり圧迫感を感じなくなりますね。

ポーランドで日本風のタイニーハウスがありました。テーマは「tiny tea house」。

日本の茶室を参考に作られていて、躙り口(にじりぐち)や床の間も再現されています。ロフトにも3帖分ほどの畳が敷かれており、木との相性も良く、こんなタイニーハウスも素敵ですね。

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タイニーハウスの実例を見てみよう

では実際にタイニーハウスの暮らしぶりや、どんな使い方をしているのか見てみましょう。

離れに建つおとぎ話のようなタイニーハウス

裏庭に建つ離れのような存在のタイニーハウス、その中は外界とは全く違う雰囲気が待っています。

なんと中はとっても可愛いトラディショナルな雰囲気の子供部屋です。まるでおとぎ話にでも出てきそうな秘密のお部屋のようです。一般的にキャンピングカーのようなイメージをしがちなタイニーハウスですが、内装にもこだわるとこんな使い方ができるんですね。

ビーチにも行けてしまうタイニーハウス

移動ができるトレーラー式タイニーハウスです。まさに家にタイヤがついたような外観デザインをしています。

室内を見てみると、ビーチスタイルのオシャレなインテリアになっています。ビーチスタイルの暮らしを本物のビーチに連れていく事も可能なのが、トレーラー式タイニーハウスの魅力でもあります。

外の繋がりを大事にする

タイニーハウスのデメリットの一つである部屋の狭さは、外との繋がりを大事にすることで逆にメリットに変えることができます。

部屋がせまいから広いところにいたくなったら、自然と外に出る習慣ができてきます。そうなると活発的に外にでて自然とアクティブに暮らすようになってきます。その為には、外に出やすい扉とウッドデッキを設けてあげると繋がりを補助することができますね。

タイニーハウスのライフライン

タイニーハウスで気になるのが、電気・ガス・水道のライフラインですね。もちろん全て公共インフラを引き込みという方法が快適に暮らせるので、できることならコレが一番です。

タイニーハウスを居住のメインとして使う場合はできれば公共インフラを引き込むことをオススメします。しかし、セカンドルームのような扱いとして使うのであれば、ウン十万から100万円するような引き込み費用は必要ないかもしれません。

電気はソーラーパネルを設置して自家発電として賄うことができます。イニシャルコストはかかりますが、その後は電気代0円です。但し、電力は安定しない点と使える容量が少ない点がデメリットですね。

ガス・水道はメインの居住用以外では本当に必要かを考えて必要があります。個人的な意見を言えば必要ありません。

固定資産税

固定型タイニーハウスは当然ながら固定資産税がかかります。土地と定着されているタイニーハウスは、一般的な小さな家と変わらないので、固定資産税も必然的にかかってきます。

移動式のトレーラーハウスに関して言えば、タイヤが付いているなど、土地との定着性がないと認められれば、固定資産税は発生しない可能性もあります。

ただしタイニーハウスの歴史が浅い為、今後の法整備で状況が変わってくる可能性もありますね。

タイニーハウスはDIYはできる?

海外では自身でセルフビルド、DIYすることも多いタイニーハウス。

自分で建ててしまえば、その分建築費用もコンパクトに建てることができます。

家屋のDIYやメンテナンスも自身で行う欧米であれば取り掛かりやすいですが、日本ではなかなか難しいのでは…と思われますが、セルフビルドのキットで挑戦してみるのはいかがでしょうか。

BESS

1986年から事業を始めた、ログハウスで知られる「BESS」。

現在はログハウスの良さを感じられ、マチナカにもフィットする住宅を施工しているBESSですが、タイニーハウスをセルフビルドできるキットを2種類販売しています。

セルフビルドのマニュアルや動画が用意されていたり、工具のレンタル購入ができたりとセルフビルドを応援してくれる点も心強いですね。住宅を取り扱っているため展示場も多く、実際に話を聞きに行くことが出来る点も良いですね。

https://imago.bess.jp/

WOODY BEAR

こちらは群馬県にある会社が販売されているパッケージ商品。

商品のモデルは2種類ですが、サイズをいろいろと選ぶことができます。こちらの商品は一番小さなサイズで約19万円~と非常に安価で必要な工具も少ない点が、非常に魅力的です。

http://woodybear.com/

タイニーハウスの価格帯と販売、施工している会社

タイニーハウスの価格帯は小さいものであれば、おおよそ130万円~ととてもリーズナブルな価格からあります。

こだわり始めれば青天井に費用がかかりますが、タイニーハウスの魅力はいかに安く、残ったお金で自分らしい生活をするかだと思いますので、ほどほどの価格のタイニーハウスを選ぶのが大切ですね。

日本でもタイニーハウスを手掛けている会社は実はたくさんあります。

YADOKARI

タイニーハウスだけでもトレーラー型から固定型まで、様々なモデルを発表しているYADOKARI。

いろいろなスタイルのものを取り扱っているので、ご自身の好みのデザインや生活にマッチしたものが見つかるのではないでしょうか。

また、イベントやワークショップなども頻繁にされており、実際に体験できる点も良いですね。

http://yadokari.net/

snow peak

アウトドアブランドのsnowpeakが手掛けるタイニーハウス。

建築家・隈研吾によって設計された「住箱(ジュウバコ)」というタイニーハウスを販売しています。

隈研吾さんらしい木をふんだんに使用したデザインになっています。

その他、自社製品のソーラーパネルやプロジェクター、ワイヤレスのサウンドスピーカーなどアウトドア商品での経験をもとに、生活に彩りを加えられる商品も取り扱っているようです。

https://www.snowpeak.co.jp/sp/jyubako/

無印良品

住宅で「無印良品の家」というものもありますが、それとは別に「無印用品の小屋」というタイニーハウスも販売しています。

家と違い施工地域がまだ限られてはいるものの、無印良品のデザインがお好きな方にはおすすめのタイニーハウスです。

https://www.muji.com/jp/mujihut/

タイニーハウスまとめ

日本は自然に恵まれつつも、その自然と距離が近い分、自然災害も決して他人事ではない風土を持っています。

住む場所や住宅ローンなど、様々なものからとらわれない生き方を実践できる「tiny house」。新しい住居の形として、選択肢のひとつとなっていくのではないでしょうか。

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家の事

Posted by koh