リビングに和室は本当に必要?【メリットとデメリットから分かる欲しい畳コーナー】

リビングの一角にある小さな和室、畳コーナー。いろんな用途に使える便利さがある反面、特定の部屋として使うことがないという中途半端な存在です。

賃貸にしろ新築で建てるにしろ、この小さな和室が本当に必要なのかどうか迷う人は少なくないでしょう。そこで、そのメリットとデメリットからコストに見合うものかどうかを考えてみましょう。

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リビングに畳コーナーを作るメリット

まずリビングに畳コーナーを作ると、どんなメリットがあるのか考えてみましょう。

子育てに便利

小さな子どもがいると、和室があれば便利です。特にまだ歩き始めの頃は、よくひっくり返ったり転んだりします。そんな時には、クッション性の高い和室だと安心です。

また小さな子どもは歩き回るようになると、その音は階下に響きます。音に関するトラブルでは、子どもの足音は大きな割合を占めるものです。しかし和室があれば、畳が子どもの歩く時の音や衝撃を吸収してくれるので、階下への影響も少なくなります。

国土交通省の資料によると、子育て世帯のニーズとして住宅に関するニーズは次のようになっています。

住宅および住宅のまわりの防犯性 20.0%

住宅の広さ・間取り 8.6%

安全性や遮音性などの居住性能 5.2%

※ 国土交通省「子育て世帯の安心な住まいの確保等」より

リビングの一角に畳コーナーの和室があれば、小さな子どもを遊ばせておいても安心です。この安心感は十分にコストに見合う効果といえるでしょう。

趣味の部屋として使える

マイホームでは夫婦ともに自分だけのスペースが欲しいと思いながらも、男性が家で重視する部屋はリビング、女性がキッチンである事が非常に多く、真っ先にコスト削減の対象となるのが書斎のようなプライベートスペースです。しかし、リビングの一角に独立した和室スペースがあれば、堂々と書斎や趣味の部屋として使えます。

家事スペースとして活用できる

リビングに畳コーナーがあると、何かと便利に使えます。特定の用途ではなく、家事のための作業スペースとしても使えるからです。たとえば洗濯物をたたんだり子どもを寝かせたりと、いろんな用途に使えます。

リビングに畳コーナーを作るデメリット

続いてリビングの畳コーナーを作るデメリットについてご紹介します。費用対効果を考えて、メリットとデメリットを照らし合わせて畳コーナーを作るかどうかを検討するとよいでしょう。

リビングスペースが狭くなる

当然のことですが、畳コーナーを作るとその分リビングは狭くなります。

フラットにすればリビングと一体化して、広く使えるという見方もあります。しかし畳とフローリングでは使い勝手が違いますし、同じフロアとして使うのは難しいでしょう。

ソファやダイニングセットを置くと、リビングスペースはかなり狭くなってしまいます。この心理的ストレスは大きなコストと考えてよいでしょう。

特定の用途に使いにくい

リビングに畳コーナーがあると、何かと便利です。便利なのですが、何か特定の用途で使うとなると中途半端な広さです。

実際に子どもが大きくなり、どんな用途で使っているのかアンケート結果がありますが、最も多かったのが寝室でした。次にリビングとつなげてひとつの空間とすることです。

寝室は当然他にあると思いますし、子ども部屋として使うには狭いでしょう。趣味の部屋として確保する方法もありますが、それだけのゆとりがあるかどうかが課題です。

リフォーム時などに畳コーナーを作るべきか否か、費用対効果を考えて検討してみるとよいでしょう。

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小上がり畳のメリット、デメリット

リビングの一角にある和室を作る際に、畳コーナーをフラットにするか、あるいは段差をつけた「小上がり畳」にするか迷うところです。そこでそのメリットとデメリットを考えてみましょう。

収納スペースが増える

住宅で誰もが抱える課題として、収納をいかに確保するかがあるでしょう。収納術に関する本の多さを考えると、多くの人が収納スペースの少なさに悩んでいることがわかります。

小上がり畳があれば、その段差部分に引き出しを作ることができます。あるいは畳を持ち上げることで、床下収容を作ることも可能です。

腰をかけることができる

段差部分に座布団などを置いて、腰掛けることができます。これはフラットな床ではできないことです。また、座った時の目線の高さも変わりますし、空間に立体感が生まれるのでリビングを広く感じることにもなります。

これはフラットな床では得られない大きなリターンといえるでしょう。

つまずきやすくなる

高齢となれば家はフラットなほうが安心です。ちょっとした段差でつまずいてしまうからです。しかし小上がり畳の和室にすると、段差もかなり高いので高齢となった時には不便かもしれません。

日常生活で常に注意しなければならないというのは、大きなストレスであり心理的コストとなるでしょう。

小さな子どもには注意が必要

畳コーナーで小さな子どもを遊ばせておくと転んだ時にも安心ですが、小上がり畳にすると話は別です。段差から落ちてしまう可能性があるからです。これでは安心して家事ができませんし、ストレスも溜まるかもしれません。

置き畳を使って手軽に和室を取り入れる

リビングに畳コーナーのような和室がある賃貸マンションはそう多くありませんし、注文住宅で建てるとコストが高くなります。しかし、置き畳を使うと安価にリビングの一角を和室にできます。

畳コーナーを作るとかなりコストがかかりますし、フラットなフローリングに戻すのも難儀なことです。しかし置き畳ならば、その使い勝手次第では簡単にフラットなフローリングに戻せます。

置き畳(ユニット畳)は文字通り、好きな場所に好きな数だけ置ける畳のユニットです。もちろん本物の畳と同様に、い草を使っています。その香りはもちろん、吸湿機能なども備えています。

厚みはそれほど無いので段差は少ないのが利点ですが、クッション性は本物の畳よりは劣ります。価格によって品質は異なりますが、1畳3,000円程度から購入できるので、コスト面でもさほど負担にはならないでしょう。

和室のあるリビングまとめ

リビングの畳コーナーの最大のデメリットは中途半端な大きさにあるかもしれません。何となく、リビングに畳が欲しいと考えるのではなく、何のために必要なのか、例えば子育ての為、趣味のスペースの為などその使用用途をしっかりと考えることで、後悔のない畳スペースを作ることができそうです。

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◆参考サイト

子育て世帯の安心な住まい

http://www.mlit.go.jp/common/001062797.pdf

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